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じゃんけんの実験

ここではじゃんけんを科学してみます. 対戦相手は「適当なAさん」と「読みのするどいBさん」の二人です. 最初にAさんと対戦してもらいます. 百戦くらいやってみて下さい.

Aさんと対戦
0戦0勝0敗
あなた
あいて

結果はどうでしたか?おそらく勝ち・負け・引き分けには,それほど差がないと思います. 勝敗をグラフにすると以下のようになります.

(draw ボタンを押してください)

実はAさんは,全くランダムにグー・チョキ・パーのいずれかを選択するという 方針で手を決めていました. このとき,じゃんけんにおける確率的な公平性が保たれて,勝ち・敗け・引き分けと なる確率がほほ三分の一となることがわかります(解説参照).

では,これからじゃんけんを確率的な観点から分析してみます.

じゃんけんの勝率をあげるには,あいての「くせ」(解説参照)を読むことが必須です. そこで,あなたの手の傾向を見てみます.

いかがでしょうか? ボタン配置の問題でチョキが多くなってる場合が多いですが, あなたが普通にグー・チョキ・パーを選択していれば,目を見張るほどの違いはないと思います. 言い換えれば,均等にランダムに選択されているので「くせ」を読むことは難しいかもしれません.

次に,二つの系列で考えてみます. つまり,あなたが出した手を順番に並べて(時間に沿って並んでいるので時系列と呼びます)「グー,グー」や「パー,グー」と言った列がいくつ現れるかを見てみます.

いかがでしょうか? 先程の一系列だけで見た場合よりも,手のかたよりが顕著になっていると思います. 別の言い方をすれば,「次に出す手は前の手に依存する傾向にある」, 「前の手と次の手は互いに関連している」と言えます. この性質が,確率過程論における「相関」や「マルコフ性」などと呼ばれる重要な要因 で,確率的にある物事を予測する場合の基礎理論となります.

実は先程,Aさんとじゃんけんをやってもらいましたが, その陰で,Bさんとも対戦していました. Bさんは最初に読みがするどいと書きましたが,上記のようなあなたのじゃんけんにおける 「くせ」を確率的に表現し,最善と考えられる手を打ってきます. 結果を見てみると・・・

個人差があるので,断言できませんが,おそらく「くせ」が顕著に現れていた人の勝率(勝利数)は減っていると思います.

最後にBさんと対戦してみてください.百戦やって勝ち越せますか? また,もう少し詳しい解説を知りたい人は解説ページを参照してください.